- ストレッチとは?
- ストレッチの種類
- ストレッチを効果的に行うには?
1.ストレッチとは
様々な目的のために筋肉を伸張させ、身体のコンディショニングのために行います。実施方法などによっていくつかの種類があり、目的によって使い分けることが重要です。ここで目的の例をいくつかご紹介します。
目的
・筋の柔軟性向上
・関節可動域の改善
・血流改善
・疲労回復
・リラクゼーション
・トレーニング前のウォーミングアップ
・トレーニング後のクールダウン…など
②ストレッチの種類
トレッチの種類や特徴を理解することによってより効果的なストレッチを行うことができます。また逆に誤ったストレッチ方法を選択してしまうと目的の効果が得られず、身体のパフォーマンスを減少させる原因にもなりかねます。最悪の場合にはケガの原因になったりすることもあるので、ストレッチの種類と実施方法、それぞれの特徴を理解する必要があります。
実施方法による分類
〇静的ストレッチ
〇動的ストレッチ
〇徒手抵抗ストレッチ
〇PNFストレッチ
実施人数による分類
〇セルフストレッチ(1人)
〇パートナーストレッチ(人に伸ばしてもらう)
今回は代表的な『静的ストレッチ』『動的ストレッチ』の実施方法や特徴について、一例を簡単に解説していきます
静的ストレッチ
スタティックストレッチとも呼ばれます
【方法】
・反動や弾みをつけずに筋肉をゆっくりと伸ばしていき、その伸ばした状態を約30秒間維持します
・呼吸は吐きながら伸ばしていき、維持姿勢では楽な呼吸を続けます
【特徴】
・比較的、実施方法が簡単で、セルフストレッチとパートナーストレッチのどちらでも実施可能です
・ゆっくり伸ばしていくため伸ばしすぎが起きにくく、ストレッチによって筋肉を痛める可能性が低いです
・1回の実施で1方向のみの実施になりやすく、全身にわたる実施では長時間かかってしまいます
・筋の弛緩とリラックスに適しています
〇動的ストレッチ
ダイナミックストレッチ、バリスティックストレッチなどがあります
【方法】
・動きを伴ったストレッチです
・特にバリスティックストレッチはブラジル体操とも呼ばれ、反動や弾みをつけて行います、サッカーのウォーミングアップなどに使われるストレッチです
【特徴】
・筋活動が起こり、トレーニング直前のw-upとして適しています
・トレーニング種目の動作に合わせて行いやすいです
・いきなり行うと筋が急激に伸ばされ、『伸ばしすぎ』が起こることもあります
→その結果、筋が損傷するリスクやかえって可動域を狭める可能性があります
③ストレッチを効果的に行うには?
ストレッチの種類や実施方法、特徴についての理解を深め、最善のストレッチ方法を選択するとことが大切です。そうすることで目的に応じた効果的なストレッチを行うことができます。下にストレッチ方法選択のポイントの一例をまとめました。
ストレッチ選択方法のポイント
・クライアントの目的
・クライアントの身体的特徴
・時間的環境(ストレッチにかけられる時間)
・外的環境(特に気温などストレッチ効果に影響を及ぼすもの)
・ストレッチ後のトレーニング内容(w-upの場合)
・ストレッチ前のトレーニング内容(downの場合)
・クライアントのストレッチに対する理解度…など
このようなポイントを参考に方法を選択していきます。また、1種類だけではなく2種類以上を組み合わせて行う場合もあります。
最後に
そしてストレッチを実施するうえで最も重要になるのが解剖学の知識です。筋肉は骨から骨についており、基本的には起始(筋のつき初め)と停止(つき終わり)の距離が離されることによって筋が伸ばされ、ストレッチの効果を得られることができます。この起始から停止の筋の走行を理解することによって狙った筋肉を効果的に伸ばすことができます。目的に応じた種類のストレッチをやってもなかなか効果が得られない場合などは、解剖学を学び筋肉の走行を理解することで効果が得られることもあるのではないでしょうか。
【参考文献】
日本体育協会公認アスレティックトレーナー教本